VOL.18 「不正競争防止法」について

VOL.18 「不正競争防止法」について

2021年07月23日 【

今回は「不正競争防止法(以下「不競法」と略記します。)」についてお話します。

 

不競法は、公正な競争を阻害する一定の行為を規制することで、健全な競争を確保することを目的として定められた法律です。公正な競争を阻害する一定の行為は、不競法第2条1項1号~15号に明記されております。比較的ポピュラーな不正競争としては、周知表示に対する混同惹起行為(2条1項1号)、著名表示冒用行為(2条1項2号)、商品形態模倣行為(2条1項3号)、営業秘密不正取得・利用行為(2条1項4~10号)、信用毀損行為(2条1項15号)が挙げられます。各号が該当する簡単な例を以下に説明します。

 

1.周知表示に対する混同惹起行為(2条1項1号)

一定の周知性を有する他人の商品名を、同一又は類似の商品に付して販売する行為

2.著名表示冒用行為(2条1項2号)

著名性(※)を有する他人の商品名を、同一又は類似の商品(例:お菓子)のみならず、非類似の商品(例:おもちゃ)に付して販売する行為

3.商品形態模倣行為(2条1項3号)

他人の販売する龍を模したキーホルダーと同じ形状のキーホルダーを販売する行為(但し初販から三年以内)

4.営業秘密不正取得・利用行為(2条1項4~10号)

転職前の会社が秘密裏に管理していた顧客リストを、転職後の会社にて営業目的で使用する行為。

5.信用毀損行為(2条1項15号)

ライバル企業に関する虚偽の情報を営業先に話すことで、自社を有利な方向に導く行為。

 

上述した不正競争行為のうち、不競法2条1項1,2号をご覧になって何か気づかれた方がいらっしゃるかもしれません。それは、不競法2条1項1,2号が商標法と似ている点です。

商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標を使用する権利を専用するのみならず(商標法25条)、類似する範囲内において他人の使用を排除することができます(商標法37条1号)。

「不競法2条1項1号があるから商標権を取得する必要はない」と考える方がいらっしゃるかもしれませんが、それは誤りです。すなわち、不競法2条1項1号では「周知性」が要件となっておりますが、この要件を裁判所に認めてもらうのは容易ではありません。販売実績、宣伝広告実績、製造量、使用期間など、周知性を取得したことを裏付ける膨大な資料を提出しなければならず、非常に大変です。他方で商標法は「周知性」の有無にかかわらず、権利行使が認められます。

不競法2条1項2号では「著名性」が要件となっておりますが、この要件を裁判所に認めてもらうのはさらに困難です。しかしながら、商標法では同一又は類似の商品・役務の範囲までしか権利の効力が及びません。不競法2条1項2号によれば、商標法でカバーしきれない範囲での保護が期待できます。

その他、不競法で規定する「商品等表示」は商標法で規定する「標章」よりも幅が広いものとなっています。例えば、商品の形態が有名であれば、その形態自体が「商品等表示」として認められるケースもあり得ます。

このように、商標法と不競法は相互に補完し合う関係にあるといえます。

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