VOL.39 特許出願から権利取得に至るまでにかかる費用について

VOL.39 特許出願から権利取得に至るまでにかかる費用について

2021年12月17日 【

ここ最近、フェイスガードやマスクなどのコロナ関係の発明相談が増えております。

しかしながら、特許出願から権利取得に至るまでにかかるコストの高さに断念される方も多いです。そこで今一度、特許出願から権利取得に至るまでにかかる費用をご説明します。

なお、以下に示す弁理士費用は弁理士会が平成15年に実施したアンケートを参考にしたものであるので、15年以上経過した今では少し相場が少し下がっていると思います。また、特許事務所の所在地や発明の難易度、明細書の文字数、等々によってさらに変動します。

 

1.特許出願時

印紙代  :14,000円

弁理士費用:25万円~35万円

 

2.出願審査請求時

印紙代  :142,000~

弁理士費用:1万円~2万円

 

<補足>

出願審査請求とは特許を取得するために必要な手続であって、特許出願日から3年以内に行う必要があります。

印紙代は中小企業であれば1/2が免除されます。さらに、従業員の数等によっては1/3まで免除されます。

 

3.拒絶理由対応

印紙代  :不要

弁理士費用:10~14万円

 

<補足>

拒絶理由対応とは、特許庁審査官による審査の結果、特許を受けることができないと判断された場合に通知される拒絶理由に対する措置です。意見書と手続補正書を提出することが殆どです。

拒絶理由の内容に応じて、権利を求める範囲を減縮する手続や、意見書を通じて反論する機会が得られます。

拒絶理由は高確率で通知されます。

 

4.設定登録時

印紙代  :6,900円~

弁理士費用:11万円~17万円

 

<補足>

印紙代は3年分の特許維持費に相当します。請求項の数(≒発明の数)に応じて変動します。

審査請求と同様、出願人が一定の要件を満たせば印紙代が減免されます。

弁理士費用は成功謝金+設定登録手続のケースが多いです。

 

 

以上が一般的な流れですが、例えば拒絶理由通知に対して、意見書と手続補正書を提出したが拒絶査定を受けてしまうケースもあります。権利取得を諦めたくない場合、拒絶査定不服審判を請求できますが、費用はかなり高額になります。印紙代と弁理士費用を合わせて25万円以上はかかるとお考え下さい。

 

特許権を取得するメリットについて、教科書通りの答えは「発明を独占排他的に実施することができる」です。特許製品が評価されれば、莫大な利益に繋がるということです。

私が個人的に感じるその他のメリットとしては、特許を取得することで企業価値を高め、信頼を得ることができるという点が挙げられます。

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