本年も各地において特許や商標をはじめとする知的財産に関するご相談を承りました。
支障のない範囲で、特にご相談の多かった内容を２つご紹介します。
（１）ゲーム系のアプリに関する特許
スマートフォンの普及に伴い、ゲーム系のアプリに関するご相談を多く承けました。
具体的には、「○○のようなゲームを考えた。特許になりますか？」といった内容の質問です。
この質問に対しては、特許になるか否かを議論する前に、ゲームが特許の対象となるかを検討する必要があります。
結論から申しますと、ゲームそのものは特許の対象になりません。自然法則を利用していないためです。
しかしながら、ゲームを実施するための装置（例えばプレイステーション（Ｒ））は、ハードウェア資源を用いていれば特許の対象になります。
ゲーム系のアプリに関するアイデアをお考えの方は、まずはそのアイデアが特許の対象になるか否かを弁理士にご相談ください。
（２）ビジネスモデルに関する特許
ビジネスモデルはいわゆる商売方法に関するアイデアですが、このケースでもビジネスモデルが特許の対象になるか否かを検討する必要があります。
例えば、「会員を○○の方法で集め、会員に対して○○会を開き、会員同士で○○の契約が成立したときに○○円を貰う」というビジネスモデル自体は、特許にならない可能性がきわめて高いです。
すなわち、このケースでも「自然法則を利用したものであるか否か」がポイントになります。
ビジネスモデルは、例えばインターネットを用いたコンピュータシステムと絡めることで特許の対象にすることができます。
すなわち、ビジネスモデルに関する特許の多くはＩＴを利用したものです。
ビジネスモデルに関するアイデアをお考えの方は、コンピュータシステムを絡めた装置又は方法としてご検討ください。
