世界の面白い特許として、米国特許US3900154Aをご紹介します。
この特許は1975年に発行されたもので、権利は既に消滅しています。まずは次の特許図面をご覧下さい。
この特許は、葉巻や紙巻たばこを燃やして生じる灰を集めるための装置、いわゆる灰皿に関する発明で、シュート部(符号8)と収納部(壁。符号10,12)を一体構造としたものです。
シュート部は先細りで開放端を持ち、側壁が部分的に巻かれた形状を有しています。
収納部はシュート部と接続され、底部・側壁・上部が一体的に形成され、上部は重ね合わせて固定されています。
この発明は、灰や食べかすなどの落下物を効果的に集めることができ、下側の図面のとおり灰を気にすることなく(?)、たばこを思う存分吸いながら運転できる、というものです。
このように構成はかなりシンプルでも、特許になるケースはあります。
もっとも、今回紹介した発明は50年近く前のもので、当時は発明の数も多くなかったことから、このような構成の発明でも特許が認められやすかったものと思われます。
現代では、このようなシンプルな構成のものは特許が認められづらくなったとはいえ、「新規性(同じものがないこと)」、「進歩性(世の中に知られているものから簡単に思いつけないこと)」の要件を満たせば、特許庁は特許を認めてくれます。
ちなみに、日本では特許は出願日から原則20年で存続期間が満了しますので、その後は誰もが自由に製造・販売できます。
今回ご紹介した発明が日本でも特許になっていたのか定かではありませんが、既に公知技術となっていますので、誰でも日本で製造・販売できます。
以上