今回はiPhoneで有名はアップル社の知財戦略、特に意匠について説明します。
意匠とは物品の美的外観で、それを独占的に保護できるのが意匠権です。デザイン特許と言われることもあります。
アップル社の創業者であるスティーブ・ジョブス氏は、創業当時に借金を負ってまでも知的財産権の取得にこだわったといわれており、今となっては世界のトップ企業となったアップル社の知財戦略は企業を成長させるうえで大変参考になります。
アップル社の知財戦略で大変面興味深いのは、コネクタなど、細かなパーツにまで意匠権を取得している点です。
下記はライトニングケーブルという名称で有名はアップル社のコネクタです。
意匠登録第1475090号
意匠登録第1475085号
このデザインのコネクタを無断で使用すると、アップル社が保有する意匠権の侵害になります。
アップル社ではないメーカーが同じコネクタの商品を販売している例が多く見受けられますが、ライセンス(実施許諾)を受けているメーカーが大半であると思われます。
無許可で販売しているメーカーも中にはいるかもしれませんが、その場合は権利侵害に該当し、将来的にアップル社から訴えられる可能性があります。
ちなみに、このコネクタは表裏の区別がなく、そのため表裏の確認をすることなくiPhoneに差し込むことができるという点で当時話題になりました。それに関連する特許もアップル社は取得済みです。
勿論、「LIGHTNING」という登録商標も取得済みです。
そしてアップル社は令和6年4月に、ヘッドマウントディスプレイや仮想現実ヘッドセット用の充電ケーブルの意匠権(下記画像参照)を新たに取得しています。
意匠登録第1768689号
意匠登録第1768688号
アップル社の頭部に装着する新たなデバイスが普及した場合、ライトニングケーブルと同様に、家電量販店に上記充電ケーブルが多数陳列されることが想像できます。