VOL.28 「特許請求の範囲」について

VOL.28 「特許請求の範囲」について

2021年10月1日 【

今回は特許権の効力(権利範囲)を規定するうえで重要な「特許請求の範囲」について、最近大々的に報道された特許権侵害訴訟を絡めてご説明します。

以前、株式会社カプコンが保有する特許権を株式会社コーエーテクモゲームスが侵害したとして、特許侵害訴訟が提起され、カプコン社が勝訴判決を得たという報道がなされました。

訴訟の対象となった特許は2件あります。そのうちの一つの特許Aについて、メディアで報道された内容と、特許請求の範囲に記載された実際の内容は次のとおりです。

 

<メディアで報道された特許A(特許第3295771号)の内容>

背後に敵がいることなど、画面上の情報からは認識できない情報を、コントローラーから発せられる振動によって、コントローラーを把持する遊戯者に伝える発明。

 

<特許請求の範囲に記載された特許Aの内容>

遊戯者が操作する入力手段と、この入力手段からの信号に基づいてゲームの進行状態を決定あるいは制御するゲーム進行制御手段と、このゲーム進行制御手段からの信号に基づいて少なくとも遊戯者が上記入力手段を操作することにより変動するキャラクタを含む画像情報を出力する出力手段とを有するゲーム機を備えた遊戯装置であって、

上記ゲーム進行制御手段からの信号に基づいて、ゲームの進行途中における遊戯者が操作している上記キャラクタの置かれている状況が特定の状況にあるか否かを判定する特定状況判定手段と、

上記特定状況判定手段が特定の状況にあることを判定した時に、上記画像情報からは認識できない情報を、体感振動情報信号として送出する振動情報制御手段と、

上記振動情報制御手段からの体感振動情報信号に基づいて振動を生じさせる振動発生手段と、

を備えたことを特徴とする、遊戯装置。

 

上記2つの内容を比較すると、一見して対応する関係にないように思われます。メディアで報道された内容はあくまで特許発明の一実施例であって、発明のポイントを広く捉えると特許請求の範囲のような記載になります。すなわち、特許請求の範囲の内容の方が、メディアで報道された内容よりも権利範囲が広く表現されています。

 

弁理士が特許明細書を作成するうえできわめて重要な事項は、発明のポイントを適切に捉え、出来るだけ権利範囲が広くなるような表現で特許請求の範囲を作成することです。それ故、特許請求の範囲の記載内容は、一般の方では理解が難しいような文章になります。我々専門家であっても、「特許請求の範囲」のみを読んで発明の内容を理解するのは簡単ではありません。「特許請求の範囲」とは個別に存在する「明細書(発明の詳しいた説明書)」、「図面」を通じて、発明の理解に努めます。

このように、「特許請求の範囲」を含む特許に関する書類を作成するには、高度な専門知識を要します。

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